火花 感想

「火花」又吉直樹

 

先日やっと予約資料の順番が回ってきて手にできました。

話題になっていたようですが、特に何の先入観も持たず本を開きました。

 

始まりからとても文章が丁寧、という感想を抱きました。

後に物語に抑揚がないだとか退屈だとか目にしましたがそうは思いませんでした。

それどころかこういうスーッと流れていくような物語の方が私は好きで、とても好ましく思いました。

 

読み終えた後は登場人物がすべて愛されて書かれていて、これはたぶんとても著者の人柄が出ているものなのだと思いました。クスッと笑ったり、最後は胸にこみ上げるものがありました。

なんだか水のような小説。

 

ここで言う「水」は、何というか…近所の小川のイメージ。

私の実家の近くに蛍がいる小川があるのです。

あまり人の手が入ってなくてコンクリで作られた川の両端には年中草が茂っていて。でもとても冷たそうな澄んだ水が細く流れている。

 

火花を読んでいると何故かその風景が何度も思い出されました。

ちょうどこんな季節の小川の景色。

 

私の散歩コースの一部でした。何だか懐かしいです。前に実家へ帰った時にその風景を見てきたのでそんなに経っていないのだけど。

 

徳永の視線を通して又吉氏を見たような気がしました。

ももっと優しく深く人を愛したい。